Ikoyan’s diary

東海にある研究所の研究員です。日記代わりにポツポツ書いています。

iPS研究所の研究不正問題について

分野が近く、少なからず知り合いがいる研究所なので、全く他人事とは思えず緊張感を持って顛末を見守っております。


STAPの時のように二次災害的な事故が次々引き起こされるような事態には、絶対になって欲しくないものです。


Y助教とは全く面識が無いのですが、単純に論文の見映えを良くしたかったというわけではなく、任期制のポジションにおられるようですので、上司が期待するようなデータを出して、次のポストを勝ち取らねば、というのも少なからずあったのではと、、勝手に推察しております。


日本の研究所、大学などでは今、大学院生や学位取得後間もない若手を締め上げて長時間労働させ、短期で欲しい研究成果を出させて、ご苦労様、次のポストは自分で探してね、と追い出す、、ということか平然と行われているので、正直研究不正が出やすい環境を上の人たちが率先して作っているようにも、、見えます。


研究を進めていると、思うように成果が出ない時もあるのですが、それはあってはならないという雰囲気というか、、
成果が出ないと降格や減給になるけど首までは切られないとか、研究が上手く進まない時のセーフティネットがあればと、近年の捏造、研究不正事件を受けて思いました。


研究者も人間なので、数年間スランプになるとか無くはないと思うのですが、そういう時にそれまでの業績等関係無く放擲されて路頭に迷うとか、余りにも非人間的な世界だと思います。
数年間という短期で成果を出さないと放り出されるような、誰も見守ってくれていない状況では、いくら真面目で理想に燃えている研究者でも、「これを少し改ざんしたら生き残れるかも、、」という暗黒面からの誘惑に、場合によっては負けてしまう時もあるのではないかと、、思います。


終身雇用制にして欲しいとまでは思いませんが、任期が2~5年というのはそもそも腰を据えて研究をするには無理があるように思うので、7~10年くらいに設定するよう義務付けるとか、、できないものでしょうか。
そのくらい時間を貰えれば、成果があがらず、自分は研究またはその時取り組んでいる研究テーマに向いていないと思った時、次の身の振り方について模索したり、転職活動などをすることができるかと思います。いかがなものでしょうか、、